ここ数年、社会人教育、スキルアップに関することが話題になっています。
最近は、「リスキング」が言われ始めていますね。「リカレント教育」、「生涯教育」などは、結構以前から話題に上がるものです。
江戸時代後期の寺子屋
教育を受ける場・・ということで言えば、私は、江戸時代後期に盛んであった「寺子屋」が、一つの理想形でないかと考えます。
より正確に言うと、教育の場というより教育方法においてです。
寺子屋の特徴は
- 少人数体制
- 入学時期、卒業時期、学習年数は個人の自由
- 様々な年齢層の人たちと一緒に学ぶ
- 学習内容、進捗状況は個別対応、個人の得意を伸ばすこと中心
- 試験の点数より、復習による定着の度合いを重視
- 他人との比較ではなく、個々人の成長度合いを重視
といったことが挙げられます。
現在の日本は、人口約1億2,500万人に対して小学校の数が約2万校、江戸時代後期の寺子屋は、人口約3,000万人に対して約1万6千校あったといわれています。それも日本全国75%の地域だけの数です。
これだけの密度であったので、少人数教育だったのは間違いないでしょうし、国民にかなり浸透していたことが伺えます。そのため国民の識字率は、当時、飛び抜けて世界一だったようです。
現代の教科書にかわる物
現代の教科書にあたる物を「往来物」といいますが、その数はなんと!約7千種類。
膨大な量の中からお師匠さんがその子にあった往来物を選びます。使用する往来物は人それぞれ違っており、一人一人の年齢や興味、その子が将来就くであろう職業によって教育内容を自由に変えていたようです。
寺子屋の本質を社会人教育に応用したら?
社会人の教育は、勤務している会社での研修、資格講座、公的な職業訓練などが中心ですが、もっと様々なものを学ぶとより良くなると思います。
どこかで一斉に学ぶのは物理的に難しいことはよくありますし、個々人の状況や希望によって、学ぶ内容はかなり違います。
ゆえに、社会人の教育は、寺子屋の教育方法を応用するのが良いのではないでしょうか。
それに加えて、情報通信技術の進歩によりぞうかしてきたオンライン教育を活用・応用すれば、物理的な問題も解消され、個々人の都合や希望に合わせて学習を進めていけるでしょう。
裕福であることより、地位が高いことより、知恵を磨き続けることこそが、充実した人生を歩むこと、社会を豊かにすることにつながると思います。
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