就職、転職をするとき、自分のこれからのキャリアをどのように積み重ねていくか考えるとき、その土台となり重要なことは、自己理解を深めることです。
別のブログでは、自己理解を深めるための方法として『人生曲線シート』を紹介しています。
人生曲線シートのページ
人生曲線シートは、自己理解を深めるために、まずは手始めとして活用することに適しています。
今回は、人生曲線シートを活用して、具体的そしてある程度詳細に自己理解を深めることができる方法をお伝えいたします。
それが、『自分史』です。
自己理解を深める方法はたくさんありますが、「人生曲線シート」と「自分史」を利用するのがオススメ。
それは、自分の過去の経験を振り返ることで、自分の価値観、自分のものごとの判断基準、考え方や性格の傾向に気付くことができるからです。
「人生曲線シート」で今までの人生を大まかに振り返り、「自分史」で印象に残っている出来事などを深掘りして整理する・・・という進め方です。
自分史の作成方法
自分史の活用方法は下記のようになります。
- 記録シートと深掘りシートを用意する。
- 記録シートに、過去にあった出来事を自分が定めた時代ごと・項目ごとに書き出す。
- 記録シートから、特に印象深い出来事をピックアップして深掘りシートに書き出し、整理や理由などを考える。
より詳しく説明します。
記録シートと分析シートを用意する
用意するものは紙とペンだけです。
まずは紙を2枚用意して(できればA3サイズぐらいの大きめがおススメ!)「記録シート」と「分析シート」を作ります。
サンプルとしてはこんな感じです。
自分史記録シートを貼付
自分史分析シートを貼付
記録シートに、過去にあった出来事を自分の時代ごとに書き出す
幼い頃から現在までの人生を振り返り、「記録シート」に過去にあった出来事を時代ごと・項目ごとに書き出していきます。
ここでは深く考えながら書き出す必要はありません。思い出した順番で問題ないので、箇条書きで書き出すことがポイントです。
項目は、「好きだったこと」、「良かったこと」「ほめられたこと」など良かった点を重点的に設定しています。
過去の経験などを振り返るとよかった点と悪かった点が同時に頭の中に浮かびますが、悪かった点については、ここでは横に置いておきます。記録シートから、特に印象深い出来事を選んで分析シートに書き出す
記録シートから、特に印象深い出来事を選んで分析シートに書き出す
記録シートへの記入が一通り終われば、今度はそれをじっくりと眺めて書き出したことをを振り返って下さい。
そして、時代関係なく特に印象深いと感じるものを選んで、分析シートの項目ごとに書き出していきます。
そこから「どうしてそう思ったのか、そう感じたのか」とか「その経験から学んだこと」などをじっくり考えて、思いついたこと、考え出したことを書いていきます。
あまり詳しく思い出せないことがあれば、日記・写真などの過去の記録を参考にするのはとても有効です。
この時に大切なのは、「どこで、誰と、何をした、何があった」と出来事だけを書き出すだけでなく、今振り返ってみて、「その時に感じたこと・想ったこと」「その経験をしてからのその後の自分の変化」も併せて考えることです。
自分に影響を与えたこと、自分にとっての意味などを考えることで、単なる「出来事・体験」から現在の自分を形成している「気付き、経験」変えることができるからです。
自分史の活用方法
自分史を作り、過去の出来事を深く振り返ることで、現在の自分を形成している経験、自分がもっている価値観、昔の自分から変化した部分に気づくことができます。
特に、過去から現在までに共通している価値観は、あなたが大切にしたいことであり、就職・転職活動をするときの軸、今後のキャリア形成の軸となるものです。
自分史のメリットとデメリット、レベルアップする方法
メリット
- 紙とペンがあれば作成できる。
- 自分の経験を素材にして行うため誰もが取り組むことができる
- 自分の価値観、判断基準、考え方や性格の傾向が分かる。
デメリット
- 時間と手間がかかる。
- じっくりと考えることが苦手な人は少し苦労する。
- 全ての人に通じる「正解」はないため、モヤモヤするところがある。
人生曲線や自分史のワークは遠回りに思えるかもしれませんが、しっかり取り組むことで自分の価特徴や値観などが分かるようになり、就職・転職活動の軸、キャリア形成の軸が見えてきます。
自分の特徴や価値観などが分からないまま就職・転職活動を始めても、自分らしい基準で方向性を定めることができず、「安定してそうな仕事」「名前がよく知られている企業」「今後伸びそうな業界」といった表面的な理由だけで判断してしまいがちです。
ただ、自分一人だけで取組むと行き詰ったり、限られた範囲でしか考えられなかったり、隠されていることに気付くことができなかったりします。
どんどんと進めていけるほうが珍しく、多くの人がそうなります。
特に良いこと、魅力的なことは、その人にとって当たり前になっているので、案外気付かないものなのです。
気づきを深める効果的な方法
気づきを深めるための効果的方法は、第三者に相談することです。
『自分史』を題材にして第三者と話をすることで、パッと気づきがあったり、グッと内容を深めたりすることができます。
内容が一気にレベルアップします。
それらのお手伝いをさせていただくのが、キャリア相談員(キャリアコンサルタント)です。
最近は、ハローワークにも通常の相談窓口とは別にキャリア相談を対応する窓口がありますので、利用するのは有効です。
まとめ
就職・転職活動、今後のキャリアを考えるときに有効な自己理解の方法として、『自分史』をご紹介しました。
『人生曲線シート』と合わせて活用することで、より効果的に自己理解を深めることができます。
もしあなたが今、「自分には長所や強みが無い」と思っていれば、それは間違いなく思い込みです。
過去の出来事を書き出し、自分を客観的に見て自分の経験として振り返ることで、必ず「あなたらしさ、持ち味、特徴、大切にしたい価値観」が見つかります。
気軽にじっくりと取組んでください。
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